最終更新:2026年10月16日
セルフ受肉VTuberとは、自分でキャラクターのイラストやモデルを作り、その姿で活動しているVTuberのことです。ふつうはイラストレーター(ママ)やモデラー(パパ)に頼んで作る「体」を、本人が自分で用意している、という意味です。この記事では、言葉の意味、本人がセルフ受肉と公表している代表的な人、始めるためのツールを順に紹介します。
最初に結論
- 意味: 「受肉」はVTuberとしての体(アバター)を手に入れること。それを自分で作るのが「セルフ受肉」です
- ママ・パパとの関係: ふつうは別の人が担当するママ(イラスト)とパパ(モデル)を、本人が兼ねている状態です
- 代表的な人: 甘狼このみさん(ミリプロ)、四ノ宮しのさん、かなりさん、夢喰ユウさん。4人とも本人のYouTube概要欄などでセルフ受肉と明言しています
- 始め方: 3Dなら「VRoid Studio」(無料)、2Dなら「Live2D Cubism Editor」(無料のFREE版あり)でモデルを作り、「VTube Studio」や「nizima LIVE」で動かします
- 費用: ここで紹介するツールは、どれも無料から始められます(無料版には、透かしの表示や使える時間などの制限があります)
セルフ受肉VTuberとは?
セルフ受肉VTuberとは、キャラクターのデザイン・イラストやモデルを自分で作って活動するVTuberのことです。 ファンや配信者のあいだで使われている言葉で、公式に決められた定義はありません。
「受肉」と「セルフ受肉」の意味
VTuberの世界では、キャラクターの体(アバター)を手に入れてVTuberとして活動を始めることを「受肉」と呼びます。そのうち、イラストやモデルを人に頼まず、自分で作って受肉することを「セルフ受肉」と呼びます。ほかのVTuber用語は VTuber用語集50語|ママ・pon・ガワ・鳩・マシュマロの意味を一覧で解説 にまとめています。
「完全セルフ受肉」とは
「完全セルフ受肉」は、デザインからモデリングまで、すべてを自分で行っていることを強調する言い方です。KADOKAWAが出版したイラスト技法書の紹介ページでは、「完全セルフ受肉VTuber」を「VTuber自身で自分のキャラクターデザイン・モデリングをすべて行っているVTuber」と説明しています(出典:KADOKAWA「完全セルフVTuberが教える! 一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術」)。
ママ・パパとの関係
セルフ受肉は、ママとパパを本人が兼ねている状態です。 VTuberの見た目は、ふつう次のように分担して作られます。
| 担当 | ふつうの呼び方 | 作るもの | セルフ受肉の場合 |
|---|---|---|---|
| キャラクターのデザイン・イラスト | ママ | 立ち絵、衣装、表情 | 本人が描く |
| 動かせるモデル(Live2D・3D) | パパ | まばたき・口の動きなどが付いたモデル | 本人が作る(ここだけ人に頼む場合もある) |
ママとパパについては VTuberのママ(絵師)とは? 意味とホロライブのママ63名の担当VTuber一覧【公式クレジットのみ】 でくわしく説明しています。
つまり、セルフ受肉VTuberは「自分の体を自分で作ったVTuber」と覚えておけば大丈夫です。
セルフ受肉と、人に依頼して作る場合の違い
いちばんの違いは、見た目を作るのが自分か、ほかの人かです。 どちらが上ということはありません。作り方が違うので、かかるものや、できることが変わります。
| 比べるところ | セルフ受肉 | イラストレーター・モデラーに依頼 |
|---|---|---|
| 見た目を作る人 | 自分 | 依頼したイラストレーター・モデラー |
| かかるお金 | ツールの料金(無料から始められる) | 依頼料(金額は依頼先によって違う) |
| かかるもの | 絵やモデリングを覚える時間、作る時間 | 依頼先を探す手間、完成までの待ち時間 |
| 新衣装・表情の追加 | 自分で描いて増やせる | そのたびに依頼する |
次の章で紹介する人たちのように、イラストレーターとして活動している人が、自分の絵を生かしてVTuberになる例も多くあります。描く過程そのものを配信や動画にできるのも、セルフ受肉ならではです。
セルフ受肉を公表している代表的なVTuber
ここでは、本人のYouTube概要欄などで「セルフ受肉」と明言している人だけを紹介します。チャンネル登録者数は、2026年10月16日にYouTubeで確認した数です。
| 名前 | 所属 | 本人の説明(YouTube概要欄など) | 登録者数(2026/10/16確認) | チャンネル |
|---|---|---|---|---|
| 甘狼このみ | ミリプロ | 「完全セルフ受肉VTuber」 | 86.8万人 | YouTube |
| 四ノ宮しの | 公表されていません | 「セルフ受肉Vtuber」 | 1.97万人 | YouTube |
| かなり | 個人勢 | 「イラストレーター&完全セルフ受肉VTuber」 | 1.9万人 | YouTube |
| 夢喰ユウ | 公表されていません | ママ・パパとも本人(セルフ受肉) | 2.75万人 | YouTube |
甘狼このみ(ミリプロ)
甘狼このみさんは、事務所に所属しながら「完全セルフ受肉」を名乗る、代表的なVTuberです。 YouTubeの概要欄で、自分のことを「完全セルフ受肉VTuber」と紹介しています。KADOKAWAの書籍紹介でも、キャラクターデザインからモデリングまでをすべて自分で作っている「完全セルフVTuber」と説明されています。
概要欄の「今までの軌跡」によると、2022年12月23日にデビューし、2023年4月1日にVTuber事務所「ミリプロ」を設立しました。2026年5月4日にチャンネル登録者80万人を達成しています。KADOKAWAからは、イラストの描き方を教える技法書『完全セルフVTuberが教える! 一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術』(2024年11月7日発売)と、その続編(2025年11月4日発売)が出ています。
下は、甘狼このみさん本人のチャンネルの初配信です。タイトルでも「セルフ受肉Vtuber」と名乗っています。
企業勢でも、本人が自分で体を作っている例がある、という点で覚えておきたい人です。
四ノ宮しの
四ノ宮しのさんは、イラストレーターとして活動しながら配信をしているセルフ受肉VTuberです。 YouTubeの概要欄で「セルフ受肉Vtuberの四ノ宮しのです」と名乗り、「普段はイラストレーターとして活動しています」と説明しています。
チャンネルでは、お絵描き配信、メイキング(作る過程)の動画、ゲーム配信などを行っていると書かれています。セルフ受肉ならではの「描くところを見せる」配信に興味がある人に向いています。
かなり
かなりさんは、「イラストレーター&完全セルフ受肉VTuber」を名乗る個人勢です。 YouTubeの概要欄で、自分のことを「完全セルフ受肉個人勢」と説明しています。
概要欄によると、毎日20時ごろにショート動画を投稿し、朝活配信や夜の配信で、ゲーム・お絵描き・歌などを行っています。下は本人のチャンネルの自己紹介動画です。
個人勢が、絵もモデルも自分で用意して活動している例として参考になります。個人勢については 個人勢VTuberとは? で説明しています。
夢喰ユウ
夢喰ユウさんは、ママもパパも自分だと明言しているイラストレーターVTuberです。 YouTubeの概要欄の「夢喰ユウの生みの親」という欄で、ママとパパの両方を「俺」とし、「セルフ受肉」と書いています。
配信は、ゲームの配信が中心だと説明されています。概要欄には、VTuberのデザインやLive2D用のパーツ分けのイラストを作る仕事も受けていると書かれています。
4人とも、自分で作った体で活動していることを、本人がはっきり発信している人たちです。
セルフ受肉VTuberの始め方
セルフ受肉は、「モデルを作る」「モデルを動かす」「配信する」の3つのツールがあれば始められます。 最初に決めるのは、2D(イラストを動かす)と3D(立体のキャラクター)のどちらにするかです。
| やること | 3Dで始める場合 | 2Dで始める場合 |
|---|---|---|
| 1. 見た目を作る | VRoid Studioでキャラクターを作る | イラストを、パーツごとにレイヤーを分けて描く |
| 2. モデルにする | (VRoid Studioで作ったものがそのままモデルになる) | Live2D Cubism Editorで動きを付ける |
| 3. 動かす | Warudoなど、3Dアバター(VRM)に対応したアプリ | VTube Studio、nizima LIVEなど |
| 4. 配信する | OBS Studioなどの配信ソフト | OBS Studioなどの配信ソフト |
価格と対応OSは、2026年10月16日に各ツールの公式サイト・公式の配信ページで確認したものです(価格は税込)。
3Dで始める:VRoid Studio
絵を描くのが苦手なら、VRoid Studioから始めるのがいちばん手軽です。 VRoid Studioは、pixivが開発している3Dキャラクター制作ソフトで、無料で使えます。
- 価格: 無料
- 対応OS: Windows 10/11(64bit)、macOS 11以降(Steamの配信ページの記載)
- できること: 3Dモデリングの知識がなくても、プリセットを選んでスライダーを動かすだけで、顔・体型・衣装を作れます。髪型はペンツールで髪の束を描いて作れます
(出典:Steam「VRoid Studio」)
3Dアバターのファイル形式「VRM」を定めているVRMコンソーシアムの公式サイトでは、VRoid StudioがVRMのキャラクター作成アプリとして紹介されています(VRM公式サイト「VRMファイルが使えるアプリケーション」)。作ったキャラクターを配信で動かすには、VRMに対応したアプリを使います。たとえば「Warudo」は、個人利用なら無料で、VRMモデルに対応し、Webカメラで顔と手の動きを読み取れます(対応OSはWindows 10以降。出典:Steam「Warudo」)。
2Dで始める:Live2D Cubism Editor
自分の絵を動かしたいなら、Live2D Cubism Editorを使います。 Live2Dは、描いたイラストを素材にして、2Dのまま立体的に動かす技術です。公式サイトでは、レイヤーを分けたイラストを用意し、Cubism Editorで動きを付ける(モデリングする)流れが案内されています(Live2D公式「Live2Dとは」)。
| 項目 | FREE版 | PRO版(一般ユーザー・小規模事業者向け) |
|---|---|---|
| 価格 | 無料 | 単月プラン 月2,288円/年間プラン 1年目15,708円 |
| 使えるもの | 機能に上限あり(テクスチャ2048pxで1枚まで、パーツ30まで、パラメータ30までなど) | 上限なし |
| お試し | ― | 42日間、PRO版の機能を試せる |
- 対応OS: Windows、macOS(Apple Silicon/Intel)。パソコンで使うソフトです
- 商用利用: FREE版でも、一般ユーザーと小規模事業者(直近の年間売上高1,000万円未満)なら商用で使えます
(出典:Live2D公式「ダウンロード」、Live2D公式「PRO版とFREE版の機能比較」、Live2D Store)
FREE版の上限の中でモデルを作ることもできますが、細かく動かしたくなったら、42日間の試用でPRO版を試してから決めると安心です。
モデルを動かす:VTube Studio・nizima LIVE
Live2Dのモデルを動かすアプリは、無料で始められるものがあります。 どちらも、カメラで顔の動きを読み取って、モデルを動かします。
| アプリ | 価格 | 無料で使うときの制限 | 対応OS・端末 |
|---|---|---|---|
| VTube Studio | 無料(すべての機能が使える) | Webカメラで動かすと透かしが出る。消すには有料の追加コンテンツ(1,520円) | Windows、macOS(Steam)、iPhone・iPad、Android |
| nizima LIVE | 無料プランあり。有料の「for indie」は月550円 | ロゴの表示あり。カメラを続けて使えるのは40分まで | Windows、macOS(iPhoneをカメラとして使える) |
- VTube Studio: Steamの配信ページでは、すべての機能を無料で使えると説明されています。有料の追加コンテンツは、透かしを消す「Remove Watermark」(1,520円)と、コラボ機能「VNet Multiplayer Collab」(2,300円)です(出典:Steam「VTube Studio」、VTube Studio公式サイト)
- nizima LIVE: Live2Dの公式アプリです。「for indie」は直近の年間売上高1,000万円未満の個人・小規模事業者向けで、有料プランではロゴが消え、カメラの使用時間の制限がなくなります(出典:nizima LIVE公式サイト、nizima LIVE「料金プラン」)
配信する:OBS Studio
モデルを動かすアプリとは別に、配信ソフトが必要です。 nizima LIVEの公式サイトでも、配信にはOBS Studioなどの配信ソフトが別に必要だと案内されています。OBS Studioは、無料でオープンソースの録画・配信ソフトで、Windows 10/11、macOS 13.0以降、Linuxで使えます(出典:OBS Studio公式サイト)。
まとめると、VRoid Studio(3D)かLive2D Cubism Editor(2D)でモデルを作り、動かすアプリとOBS Studioを組み合わせれば、無料からセルフ受肉を始められます。
よくある質問
絵が描けなくてもセルフ受肉できますか?
はい、できます。 VRoid Studioは、プリセットを選んでスライダーを動かすだけでキャラクターを作れるソフトです。絵を描かなくても、自分で作った3Dの体でVTuberになれます。
無料でセルフ受肉できますか?
はい、無料から始められます。 VRoid Studio、Live2D Cubism EditorのFREE版、VTube Studio、nizima LIVEの無料プラン、OBS Studioは、どれも無料で使えます。ただし、VTube Studioの透かしや、nizima LIVEのロゴ・40分の制限など、無料で使うときの制限があります。
イラストだけ自分で描いて、Live2Dは人に頼んでもセルフ受肉ですか?
決まった定義はありません。 「セルフ受肉」はファンや配信者のあいだの言葉で、どこまで自分で作ればそう呼ぶかは決まっていません。デザインからモデリングまですべて自分で行う場合は、「完全セルフ受肉」と呼ばれることがあります。
企業勢でもセルフ受肉のVTuberはいますか?
はい、います。 たとえば、ミリプロ所属の甘狼このみさんは、本人のYouTube概要欄で「完全セルフ受肉VTuber」と名乗っています。
作ったモデルで収益化してもいいですか?
ツールごとの利用条件を確認してください。 たとえば、Live2D Cubism EditorのFREE版は、一般ユーザーと小規模事業者(直近の年間売上高1,000万円未満)なら商用で使えると公式サイトに書かれています。ほかのツールも、公式サイトの利用規約やプランの説明を確かめてから使いましょう。
まとめ
セルフ受肉VTuberとは、ママ(イラスト)とパパ(モデル)の役割を本人が兼ね、自分で作った体で活動するVTuberのことです。甘狼このみさんのように事務所に所属する人から、四ノ宮しのさん・かなりさん・夢喰ユウさんのようにイラストレーターとして活動しながら配信する人まで、さまざまな人がいます。
始めるなら、3DはVRoid Studio、2DはLive2D Cubism Editorでモデルを作り、VTube Studioやnizima LIVEで動かして、OBS Studioで配信します。どれも無料から試せるので、まずは1体作ってみるところから始めてみてください。
VTuberの言葉をもっと知りたい方は VTuber用語集50語|ママ・pon・ガワ・鳩・マシュマロの意味を一覧で解説、ママ・パパについては VTuberのママ(絵師)とは? 意味とホロライブのママ63名の担当VTuber一覧【公式クレジットのみ】、個人で活動するVTuberについては 個人勢VTuberとは? を読んでみてください。
更新履歴
- 2026-10-16: 作成(公式情報の確認日:2026年10月16日)
この記事の情報について
代表的なVTuberは、本人のYouTube概要欄・本人のチャンネルの動画・出版社の公式ページで「セルフ受肉」「自分で作った」ことを確認できた人だけを載せています。ツールの価格・対応OS・制限は、各ツールの公式サイトとSteamの配信ページで2026年10月16日に確認したもので、変わることがあります。使う前に公式サイトを確かめてください。
参考・出典
- KADOKAWA「完全セルフVTuberが教える! 一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術」(2024-11-07掲載): https://www.kadokawa.co.jp/topics/12673/
- KADOKAWA「完全セルフVTuberが教える! もーっと!一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術 実践編」(2025-11-04掲載): https://www.kadokawa.co.jp/topics/14938/
- 甘狼このみ 公式YouTubeチャンネル(2026-10-16確認): https://www.youtube.com/@AmakamiKonomi
- 甘狼このみ 公式YouTube「【#初配信】初めまして!最強セルフ受肉Vtuber、甘狼このみです」: https://www.youtube.com/watch?v=i7TaHlwIoR8
- 四ノ宮しの 公式YouTubeチャンネル(2026-10-16確認): https://www.youtube.com/@sinosino141
- かなり 公式YouTubeチャンネル(2026-10-16確認): https://www.youtube.com/@KNR_suki
- かなり 公式YouTube「【 #自己紹介 】初めまして!!」: https://www.youtube.com/watch?v=J4n5bMc4510
- 夢喰ユウ 公式YouTubeチャンネル(2026-10-16確認): https://www.youtube.com/@YumekuiYuu
- Steam「VRoid Studio」(2026-10-16確認): https://store.steampowered.com/app/1486350/VRoid_Studio_v1220/
- VRM公式サイト「VRMファイルが使えるアプリケーション」: https://vrm.dev/en/vrm/vrm_applications/
- Steam「Warudo」(2026-10-16確認): https://store.steampowered.com/app/2079120/Warudo/
- Live2D公式「Live2Dとは」: https://www.live2d.com/about/
- Live2D公式「Live2D Cubism Editor ダウンロード」: https://www.live2d.com/cubism/download/editor/
- Live2D公式「PRO版とFREE版の機能比較」: https://www.live2d.com/cubism/comparison/
- Live2D Store(2026-10-16確認): https://store.live2d.com/jp/
- VTube Studio公式サイト: https://denchisoft.com/
- Steam「VTube Studio」(2026-10-16確認): https://store.steampowered.com/app/1325860/VTube_Studio/
- nizima LIVE公式サイト: https://nizimalive.com/
- nizima LIVE「料金プラン」(2026-10-16確認): https://nizimalive.com/pricing/
- OBS Studio公式サイト: https://obsproject.com/ja
